★祝福されたエターナるカスタムワールド製作記+2

2018/10/30

★マップチップと家具に関する覚書

所用でメイルーン用の素材を制作していたのですが、
なにかの役に立てばと思い、その過程について雑感交えつつ部分的に纏めてみました。



この作業の根幹となるのはドット絵の技術とテクスチャの存在です。
テクスチャとは対象に質感や不規則性による写実的な表現を与えるためのパターンであり、
これを明度・色相に合わせて切り貼りすることにより、ドット絵のデフォルメ感を減らすことができます。
(もっとも、この表現はあくまで私個人の趣味であり、必ずしも一般的な感性とはいえないかもしれません)



なお、テクスチャ自体は自分で撮影した写真をトリミング・減色加工して用意することが多いのですが、
Photoshopの粒状フィルムやノイズ効果によって出力したほうがずっと簡潔で効率的だと思います。
(→Photoshopで地面マップチップをサクッと作る:ぴぽや)



まずは単体の階段ですが、これはとくにフォトリアルな質感であり、強めの反射光が主な特徴です。
ただし、明確に両端が区切られているために並列するには不向きです。


こちらは横方向に連続して配置するための階段で、それぞれハイライトを両端と中央にあてたものです。
とくに優劣はないのでどちらかを使用するかはお好みですが、
単体で壁に挟んで置く場合には両端が明るいほうが表現としてはそれらしいのではないかと思います。


柱はコンポジット式オーダーを抽象化したフォーマルな意匠になっています。
最初期に制作していたグレースケール(おおよそ)の雛形を基に、
明度に合わせて上述のテクスチャを幅1px単位で敷き直し、
最終的に柱頭の影部分をペイントソフト(ここではCLIP STUDIO PAINT)のエアブラシによる焼き込みで強調しています。
柱頭の色相は色調補正で合わせていますが、ピクセル単位の修正も何点か加えています。
なお、柱身に生じた模様はスタンプによる副次的な産物であり、意図したものではなかったりします。


街灯はほとんどがドット絵的作業で完結しており、テクスチャの利用はかなり限定的です。
よって、とくにお手軽なアドバイスなどはありません。
色数がかなり少ないため、ほかに比べると質感がイラスト的かもしれません。


玉座は背もたれの部分に堂々とテクスチャをペーストしています。
これはCCライセンスでパブリックドメインが宣言された写真からトリミングした模様を減色・シームレス化したもので、
もとはバロック的内装の壁紙だったかと思います。


ソファーは玉座のマイナーチェンジで終始しており、これが一番の手抜きです。


氷のテーブルはとくにドット絵的で、全体から見ると少し浮いています。
ただし作業には上述のクリスタを併用しており、
天板と脚が重なる部分はスクリーンのレイヤーで合成されています。


この樹木のみがおそらく唯一完全なドット絵だったかと思います。
シルエットにひたすら手作業でアンチエイリアスをかけるのみの工程で、色数は5色です。
裏面の枝葉はかなり手を抜いているので、この過程はいくらか参考になるかもしれません。


タイルはまずこのようなテクスチャを制作し、


これを45度回転します。


そしてクリスタに作業を移し、レイヤーを複製してからガウスぼかしをかけます。
そのぼかしたレイヤーをそれぞれ焼き込み、スクリーン、オーバーレイで重ねたのがこの3種のタイルです。
タイルは四辺を囲って境界を設けていますが、これがあるとなしでは汎用性が段違いです。


さきほどの素材をさらにトリミング・加工し、市松模様のタイルも用意しました。
この意匠もそうですが、実際の装飾に用いられる形式的なパターンを覚えておくとより美的な表現が容易になります。


オマケです、ハッピーバースデー!


それは制作記録, 差し替え素材だ - それは2件の返信がある